山安直志展 ~古典、現代、明日へのメチエ~
日程 2025年9月17日(水) ~ 2025年9月23日(火・祝)
※営業時間については百貨店のHPにてご確認ください。
メチエ【metier】とは、フランス語で“仕事”を意味する言葉です。私がこの言葉に出会ったのは、二十歳になって間もない頃でした。
西洋絵画における「メチエ」には、長い歴史を支えてきた幾多の画家たちによる、古典から続く手仕事の積み重ねが込められており、そこに私は果てしないロマンを感じたのを覚えています。現代の美術においては、しばしば伝統的な技術が遠ざけられ、感性や概念を際立たせる表現が主流となっています。そのなかで、手を尽くして描かれるクラシックな絵画表現は、しばしば過去のものとみなされ、芸術とは別の場所に置かれてしまうように感じることがあります。けれども私は、古典から脈々と続く「メチエ」、すなわち技術に裏打ちされた表現のなかにこそ、深い芸術性が宿っていると信じています。それは決して現代美術の潮流を否定するものではなく、むしろ今あらためて、異なる道を通じて芸術の本質を目指し、“呼応”していくべきものだと感じています。また、芸術は創り手ひとりのものではなく、 同じ時代を生きる人々と共に生み出し、共有していくものだと思っています。
本展では、季節ごとに野山に咲く花々や果物、身近な人々、心惹かれて集めたモチーフなど、日常のありふれたものを描きました。これらの作品をご覧いただく機会を通して、古典から現代に続く芸術と人々の営み、そしてそれらの一端として、私自身の“明日へのメチエ”へと繋げていきたいと願っております。 どうぞご高覧賜りますよう、お願い申し上げます。
西洋絵画における「メチエ」には、長い歴史を支えてきた幾多の画家たちによる、古典から続く手仕事の積み重ねが込められており、そこに私は果てしないロマンを感じたのを覚えています。現代の美術においては、しばしば伝統的な技術が遠ざけられ、感性や概念を際立たせる表現が主流となっています。そのなかで、手を尽くして描かれるクラシックな絵画表現は、しばしば過去のものとみなされ、芸術とは別の場所に置かれてしまうように感じることがあります。けれども私は、古典から脈々と続く「メチエ」、すなわち技術に裏打ちされた表現のなかにこそ、深い芸術性が宿っていると信じています。それは決して現代美術の潮流を否定するものではなく、むしろ今あらためて、異なる道を通じて芸術の本質を目指し、“呼応”していくべきものだと感じています。また、芸術は創り手ひとりのものではなく、 同じ時代を生きる人々と共に生み出し、共有していくものだと思っています。
本展では、季節ごとに野山に咲く花々や果物、身近な人々、心惹かれて集めたモチーフなど、日常のありふれたものを描きました。これらの作品をご覧いただく機会を通して、古典から現代に続く芸術と人々の営み、そしてそれらの一端として、私自身の“明日へのメチエ”へと繋げていきたいと願っております。 どうぞご高覧賜りますよう、お願い申し上げます。
山安直志